「ただあいちてる」から刺殺へ——黒川真稀さん(28)死亡、妻・黒川まみ容疑者(27)逮捕 千葉市夫婦間刺殺事件

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静かな日曜の夜に響いたサイレン

2026年3月29日(日)午後9時48分——千葉市中央区村田町の閑静な住宅街に、激しいサイレンの音が響き渡った。

「兄が義理の姉に刺された」

110番通報は、刺された男性の妹からだった。駆けつけた警察官が集合住宅3階の一室に入ると、胸を刺されて倒れている男性と、室内に残された幼い長女の姿があった。妻の姿はなかった。

意識不明の状態で病院に搬送された黒川真稀(なおき)さん(28)は、搬送からおよそ5時間半後に死亡が確認された。

翌30日、千葉中央署は真稀さんの妻・黒川まみ容疑者(27)を殺人未遂の疑いで逮捕。その後、夫の死亡を受けて容疑を殺人に切り替え送検した。


2万円が引き金になった夜

事件のきっかけは、些細な「善意」だった。

事件当日の昼、まみ容疑者は夫の実家を訪れ、義理の両親に現金2万円を手渡した。生活の足しにしてほしいという思いからだった。帰宅後、そのことを真稀さんに伝えると、真稀さんは怒った。

「勝手なことをするな」

この一言が口論に発展した。まみ容疑者は取調べに対して「生活費のことで口論になり刺した。夫が育児を手伝ってくれないことにも不満があった」と供述している。日頃からくすぶっていた育児負担への不満が、この夜、一気に噴き出した形だ。

口論が激化する中、まみ容疑者は台所にあった包丁を手にし、真稀さんの胸を刺した。夫の妹がその場に居合わせており、一部始終を目撃するかたちとなった。


長男を連れた逃走、残された長女

犯行直後、まみ容疑者は長男を連れて徒歩で現場を離れた。長女は刺された真稀さんと同じ部屋に残されたまま、置き去りにされた。

まみ容疑者が現場に戻ったのは、約3時間半後のことだった。男児を抱いてタクシーで帰宅したまみ容疑者は、そのまま緊急逮捕された。

現場から逃げた理由について、まみ容疑者は「頭を冷やそうと思って外に行った」と説明した。


「#毎日仲良し」——SNSが記録した幸せな日々

真稀さんのものとみられるInstagramのアカウントには、2022年末ごろから、まみ容疑者との交際から家族へと変わっていく過程が丁寧に刻まれていた。

2022年12月、千葉・五井の「五井大市」でのツーショットが最初の投稿だった。大晦日には犬のフィルターをかけた写真とともに「初詣行きますかぁっ!!」。翌2023年1月1日には、まみ容疑者の写真に「2023年もよろしくね ただあいちてる」とメッセージを添えた。

その後も横浜・八景島シーパラダイスでのデート、高級焼肉店での記念日——投稿のたびに「#毎日仲良し」「#毎日がhappy」という言葉が並んだ。2023年10月にはエコー写真と手作りの結婚指輪を披露し「これからも夫婦仲良くやっていきましょうね♪」と綴った。

2024年3月5日、第一子誕生の報告には、こんな言葉が記されていた。

「本当に母子共に頑張ってくれました。ありがとう」「これからは家族3人犬1匹と楽しく暮らしていきます」

SNSの最後の投稿からおよそ2年。幸せな日々の記録は、最悪の形で幕を閉じた。


若き建設会社社長の「誠実な仕事ぶり」

真稀さんは若くして建設会社を立ち上げた。防水・塗装・足場などを手がける会社のホームページには、真稀さん自身の言葉で、仕事への姿勢が綴られていた。

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株式会社 関棟建業 – シーリング工事・コーキング工事や塗装、リフォームなど建物の改修工事

「私たちは、誠実な仕事で信頼を築くことをモットーにしています」

「建物は暮らしや仕事を支える大切な『器』です。その価値を守り、安心して長く使っていただくことが、私たちの使命です。2025年には大通り沿いに新しい事務所を設け、より多くの方に名前を知っていただけるよう、従業員一同成長してまいります。街を支える力として歩み続けてまいります」

事業を軌道に乗せ、家庭を築き、これから先を見据えていた28歳の命が、突然奪われた。


近隣が見た夫婦の素顔

事件現場となったアパートの近隣住民は、2人の印象をこう語った。

「ギャルで腰のタトゥーが目立っていたけど、挨拶はしてくれていて」——まみ容疑者については、派手な外見とは裏腹に、近隣への態度は普通だったという証言が多い。子煩悩な一面もあり、子どもの世話を熱心にしている姿も目撃されていた。

夫婦間のトラブルについては「直近で大きなトラブルがあったかと言われると、そういう声は特に聞いていません。夫婦喧嘩のようなものはどこの家でも多少はあるんじゃないかという程度です」という証言が残っている。「普通の争いというほどでもないと思っていました」。


残された2人の子ども

この事件でもっとも深刻な影響を受けるのは、幼い2人の子どもだ。

まだ未就学の長女と長男は、父を亡くし、母は逮捕された。長女は事件直後、刺されて倒れた父の傍に残されていた。

真相解明に向けて千葉県警は捜査を継続している。


事件概要

項目内容
発生日時2026年3月29日(日)午後9時48分ごろ
場所千葉市中央区村田町の集合住宅3階
被害者黒川真稀さん(28)、建設会社経営
容疑者妻・黒川まみ容疑者(27)、自称パート従業員
家族構成夫婦+未就学の長女・長男の4人家族
使用凶器自宅にあった包丁
直接の発端義両親への2万円をめぐる口論
背景の動機育児負担への不満(まみ容疑者供述)
通報者現場に居合わせた被害者の妹
逃走・帰宅長男を連れて約3時間半逃走後、タクシーで自ら帰宅し逮捕
容疑の変遷殺人未遂で逮捕→翌日に殺人へ切り替えて送検
容疑者の供述「生活費をめぐる口論で刺した」「育児への不満もあった」「頭を冷やそうと思った」

【編集部注】

本記事は2026年3月29日〜4月3日時点の報道をもとに執筆しています。捜査は継続中であり、公判での事実認定によって詳細が変わる可能性があります。黒川真稀さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。また、残された2人のお子さんの今後が案じられます。

初出:2026年4月 / 未解決ジャーナル編集部

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