【続報】浜松ガールズバー刺殺事件|浮かび上がる山下市郎容疑者の動機と素顔

凶悪事件

山下容疑者の動機と異常な背景

静岡県浜松市のガールズバーで店長と従業員の女性2人が刺殺された事件は、あまりに理不尽で社会に衝撃を与えました。逮捕された 山下市郎容疑者(41) は店の常連客で、被害者2人とも顔見知りでした。事件後の捜査で、山下容疑者が被害者2人のスマートフォン上のメッセージのやり取りを何らかの方法で確認し、その内容に激怒して犯行に及んだ 可能性が高いことが判明しています。実際、事件直後に山下容疑者は「小馬鹿にされたからやった」と店関係者に話しており、私怨による犯行だったとみられます。被害女性らが自分に対して交わしたメッセージ内容に逆上し、凶行に走ったというのです。

山下容疑者は元々、被害者の 竹内朋香さん(27) や 伊藤凜さん(26) と面識があり、常連客として店に足繁く通っていました。しかしその素性は極めて危ういもので、新たに明らかになった背景からは彼の異常な一面が浮かび上がってきます。今年4月、山下容疑者は店でお気に入りのウイスキー「ジムビーム」のボトルが切れていたことに腹を立て、女性店員に「なんでボトルねーんだよ!」と怒鳴り散らしました。挙句にテーブルをひっくり返し椅子を蹴飛ばす大暴れを起こし、怯えたその店員が出勤できなくなってしまったため、店側は彼を出禁にしたと言います。にもかかわらず山下容疑者は懲りずに、しばらくして問題の店員が不在の日を狙って店に舞い戻っていたとも証言されています。また、伊藤さんに電話が繋がらなかった際には店内で「包丁持ってこい、ぶっ殺してやる!」と激昂して叫んだ場面も目撃されており、周囲が「そんなことしてどうするの」と宥めると渋々冷静さを取り戻したものの、些細なことでカッとなる危険な性格であることは明白でした。こうした前歴からは、山下容疑者が以前から被害者の伊藤さんに強い怒りや執着を募らせていた可能性がうかがえます。

一方で山下容疑者は、昨年頃から伊藤さんと仕事後に飲みに行く間柄でもあったようです。約8か月ほど前には、店の閉店後に2人で別のバーに現れ、「りん」「山下」とお互いファーストネームで呼び合いながら仲良くお酒を飲んでカラオケを歌っていた――そんな様子を目撃した証言もあります。当時は遠目にも親密そうに見えたものの、「付き合っている」という話は一切聞かれず、あくまで客と店員以上の関係ではなかったようだとも言われています。山下容疑者は一人で酒を飲みに来た際、自身の身の上話を漏らすこともあったといいます。離婚歴があり子どももいること、実父とは絶縁状態で母親にも「お前はぶっ飛んでる」と見放されていて両親とは疎遠なこと──そんな家庭の事情を語り、唯一近くに住む実姉の夫とは仲が良くて迎えに来てもらうこともあったと周囲に話していました。こうした孤独や家庭崩壊の背景もうかがえますが、それが犯行の動機を正当化するものではもちろんありません。ただ、日頃から問題行動の絶えない危険人物だったことは確かで、かつて同じ職場に10年間勤めた知人は「仲間とトラブルを起こす人間」で、職場内で恐喝騒ぎや窃盗騒ぎを起こし、過去に「強盗をしたことがある」と吹聴していたとも証言しています。その元同僚は「山下は弱い者には容赦なく威張る一方で、強い者には媚びへつらうような人間だった」と人間性を評し、「正直、あいつなら(あの事件を)やりかねないと思った」とまで振り返っています。常軌を逸した粗暴さと歪んだプライドを持つ山下容疑者にとって、被害者たちとのどんな些細な行き違いも許し難い「恥」となり、今回の凶行につながってしまった可能性があります。

事件当夜に判明した新事実と凄惨な犯行

事件が起きたのは7月6日未明の午前1時頃、場所はJR浜松駅からほど近い繁華街・千歳町にあるガールズバーでした。犯行の詳細について、新たな証言や映像から次第に明らかになった時系列をまとめます。

  • 7月6日 0時台:この日、被害者の伊藤凜さんは本来勤務の無い“非番”の日でしたが、山下容疑者は自身で借りたレンタカーに伊藤さんを乗せて店へ向かったことが分かりました。深夜1時前後、レンタカーで店の近くに到着したとみられます。伊藤さんは脅されていたのか、付き添わされる形で一緒に店へ“来店”しました。
  • 7月6日 午前1時ごろ:山下容疑者が伊藤さんを連れて店内に入るや否や、両手に刃が湾曲した大型の「ククリナイフ」を握りしめ、突然店長の竹内朋香さんに襲いかかりました。竹内さんはカウンター奥にいて接客中だったと見られますが、背後から鋭利な刃物で執拗に刺され、その場に倒れました。悲鳴を聞いた伊藤さんは慌てて逃げ出そうとしましたが、山下容疑者はすかさず店外の出入口付近まで追いかけ、逃れようとする伊藤さんの背中にまで刃を突き立てたのです。店内から「ギャー!!」という女性の悲鳴が上がり、近隣の飲食店従業員が恐怖で外の様子を確認できなかったほど、一瞬の惨劇でした。
  • 犯行は数分間の出来事:店内には他にも数名の従業員や客が居合わせましたが、山下容疑者は標的を竹内さんと伊藤さんの2人に絞って攻撃し、他の人物には一切危害を加えませんでした。凶器として使われたククリナイフはネパール軍でも採用される特殊な大型刃物で、殺傷能力が非常に高いものです。そんな危険な刃物を山下容疑者は左右の手に1本ずつ持って店に乗り込み、短時間で二人を次々と刺したとみられています。犯行に移るまでの一連の準備の周到さから、捜査関係者は当初より山下容疑者の強い殺意と計画性を疑っていました。
  • 犯行直後~逮捕:店内が阿鼻叫喚となる中、複数の客や店員が「女性が刺された!」と午前1時過ぎに110番通報。駆け付けた警察官らによって、店近くの路上で刃物を持った山下容疑者は現行犯逮捕されました。取り押さえられる際、抵抗らしい抵抗はなく、山下容疑者本人も「刺したことは間違いない」とその場で犯行をすぐに認めたといいます。深夜の繁華街はパトカーや救急隊のサイレンで騒然となり、ストレッチャーが運び込まれる中、居合わせた人々は悲鳴と怒号で一時大混乱となりました。

竹内さんと伊藤さんの2人はすぐさま救急搬送され、懸命な救命措置がとられました。しかし背中を中心に上半身へ集中した多数の刺し傷(少なくとも10か所以上)が致命傷となり、搬送先の病院で2人の死亡が確認されました。司法解剖の結果、死因は大量出血による失血死で、傷の中には臓器に達するほどの深いものもあったことが判明しています。その凄惨さは、山下容疑者がいかに強い殺意を持って2人に襲いかかったかを物語っています。

明かされた被害者2人の素顔と無念

短い人生を突然に断たれてしまった2人の若い女性──竹内朋香さんと伊藤凜さん。それぞれの素顔や背景について、新たに分かった情報が胸を締め付けます。

竹内朋香さん(27)は、事件現場となったガールズバーの店長を務めていました。誰にでも明るく元気で、人懐っこい性格で周囲と打ち解ける気さくな女性だったと知人は口を揃えます。スタッフや常連客からの信頼も厚く、「面倒見がよくてお姉さんのような存在だった」と慕われていたそうです。プライベートでは2人の幼い子どもを育てるシングルマザーでした。昼間は子育てに奔走し、夜は家計を支えるために懸命に働く日々。母親と二人三脚で家庭を切り盛りしながら、それでも仕事では常に笑顔を絶やさず周囲に気配りをしていたといいます。ガールズバーのオーナーは竹内さんのパートナー(夫とも年上の彼氏とも報じられ方をされています)だったようで、最近になって第二子が生まれたばかりとの情報もあります。大切な子ども達のために懸命に働き、「頼れるお姉さん」として職場でも家庭でも周囲を支えていた竹内さん。その未来が突然奪われてしまった無念さを思うと言葉がありません。事件当夜も普段どおり笑顔で勤務に就いていたはずが、愛する子ども達を残して帰らぬ人となってしまったことは、本当に痛ましく理不尽です。

伊藤凜さん(26)は、竹内さんのもとで働く従業員の一人でした。竹内さんとは年も近く、公私にわたり仲が良かったのではないかと察せられます。伊藤さんは実家でお父様やおばあ様と一緒に暮らしていた親孝行な娘さんでした。家族によれば明るくあまり悩みを見せない性格で、常に笑顔を絶やさず周囲を和ませるような若い女性だったといいます。ガールズバーでの仕事についても「本人は楽しんでやっていたようだ」と父親は語っており、夜職とはいえポジティブに前向きに働いていたことがうかがわれます。そんな伊藤さんに対し、**「私に好意を持ってお店に通ってくれるお客さんがいる」**と彼女が家族に打ち明けていたのは昨年の秋頃のことでした。40代の男性客で、しばしば自分に会いに店に来てくれる常連さんがいる、と父親に一度だけ話したのだそうです。当時、特に彼女はそのことで悩んでいる様子もなく、「困っているとか助けてほしいという感じではなかった」ため家族も深刻には受け止めていなかったといいます。それがまさか今回、自分の命を奪う凶行に及ぶ男だったとは、想像だにしなかったでしょう。伊藤さんのお父様は取材に対し、「できればこんなこと(娘の死)はなかったことにしてほしい。割り切れるものではないし、これからも割り切れないと思う」と嗚咽交じりに心境を語っています。「いくつになっても自分にとっては可愛い娘だった。1番大事な存在だった」と、大切な家族を奪われた無力感と悲しみに打ちひしがれています。「最後に娘と会ったのは事件の一週間くらい前だった…」と振り返る言葉にも、涙が滲んでいました。明るく優しい性格で、家族にまで気を遣うような伊藤さんが、なぜ命を狙われねばならなかったのか。身内ですら理由が思い当たらない理不尽極まりない犯行に、残された家族のやり場のない悲しみと怒りは計り知れません。

警察発表と捜査の続報

事件発生から数日が経ち、警察およびメディアからは少しずつ新たな事実や続報が発表されています。山下容疑者は現行犯逮捕当初、竹内さんに対する殺人未遂容疑で送検されましたが、被害者2名の死亡確認を受けて容疑は殺人容疑に切り替えられ、本格的な捜査が進められています。取り調べに対し本人は「刺したのは間違いない」と容疑を認めており、警察は犯行の詳しい動機解明に注力しています。

犯行に使われた凶器については既に述べた通り、ネパール軍隊も採用する特殊な刃物「ククリナイフ」でした。7月8日には山下容疑者の住む袋井市内の自宅アパートを警察が家宅捜索し、この刃物を入手した経路や事前準備の状況、さらには犯行に至る計画性の有無などを詳しく調べています。刃渡り約20センチの大型ナイフ2本を用意しレンタカーで現場へ乗りつけた点からも、かなり前もって犯行を決意していた可能性が高く、捜査幹部も「男が凶器を計画的に用意し強い殺意を持って犯行に及んだとみている」とコメントしています。

さらに新たな事実として、事件の2日前(7月4日頃)に伊藤さんが山下容疑者と“同伴”で食事に出かけていたことが警察の調べでわかりました。伊藤さんはその食事の後、店側と連絡が取れなくなっていたとも報じられており、山下容疑者が犯行に向けてこの時点から何らかの形で伊藤さんを拘束・脅迫していた可能性も視野に入れて捜査が進められています。実際、事件当日の深夜に2人が一緒に行動していた様子は防犯カメラなどから確認されており、警察は山下容疑者が伊藤さんを脅して同行させた疑いがあると見ています。店に入る直前、山下容疑者が伊藤さんに対し刃物をチラつかせて「逃げても無駄だ」と威嚇していた可能性すら感じさせる緊迫の状況でした。

犯行の動機については未だ本人の詳細な供述は明らかにされていませんが、先述のように被害者らのLINE等のメッセージ内容に怒りを募らせたことが大きな要因だと見られています。警察は「被害女性2人との間に何らかのトラブルがあった可能性が高い」として、恋愛感情のもつれや金銭トラブルなどあらゆる線を視野に捜査しています。実際、山下容疑者は事件当夜までの間に竹内さん・伊藤さん双方と何らかの軋轢を生じさせていた節があります。前述の店員への暴言・暴行事件もそうですが、伊藤さん個人に対しても執拗に電話をかけたり怒りを募らせたりしていた背景があり、警察はこれら一連の経緯を細かく洗い出している状況です。今後の調べで山下容疑者の具体的な犯行計画や経路、そして決定的な動機が解明されることが強く望まれます。

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